ダービー馬は古馬G1をどのくらい勝っているか

四方山話

 タスティエーラが2025年QE2世Cを勝利しました。皐月賞2着、ダービー優勝、菊花賞2着と紛れもない23世代の筆頭。勢いのまま挑戦した有馬記念では少々不利もある6着だっただけに、2024年大阪杯では飛躍への期待から1番人気を背負って出走しましたがアッサリ敗戦。続く天皇賞・春も見どころはなく、半年後の天皇賞・秋では9番人気まで評価は下がっておりましたが、ドウデュースの猛烈な脚には屈したものの、スローペースを味方につけてキッチリと2着は確保。香港カップではロマンチックウォリアーから2と3/4馬身差の3着で確実な復調を印象付け、今回のQE2世Cでついに再び嬉しいG1戴冠となりました。

 ダービー馬というと、一昔前は「その後は勝てないのが当たり前」みたいな印象が勝手にあったのですが、ダノンデサイル、タスティエーラ、ドウデュース、シャフリヤール、コントレイルと、直近5年においては(海外G1も含めれば)連続で勝っていることに気づいたので、2025年4月現在の情報を元にまとめてみます。対象馬はシンボリルドルフからダノンデサイルまで。また、これだけ海外遠征をする時代ですから、海外G1勝利もカウントにいれます。

【表記について】
 勝利数=古馬G1勝利数、古馬になってからレース自体に出走のない馬は「0」ではなく「ー」としています(すなわち故障引退)。また、3歳有馬の勝ち負けも記録します(※有馬に出走していない馬は理由にかかわらず「出走なし」としています)。

【考察】
 ①41頭のうち、勝利数1以上は14頭。大体3分の1。
 ②そもそも古馬になる前に故障引退していた馬も多い(11頭)。
  キングカメハメハ以前で9頭と、20年以上前で際立つ。
  医療技術や種牡馬需要などの関係上、かつての方が引退判断が早いという点は考慮すべき。
 ③近年においては、キズナからロジャーバローズまでの、7年間で1勝というのが目立つ。
 ④よく言われることだが、ダービー馬はあまり有馬記念に出走しない。
  近年は凱旋門賞狙い、かつては故障が理由か。
※タスティエーラとダノンデサイルは現役。
※シャフリヤール、タスティエーラ、ダノンデサイルは海外G1勝利。

 こうしてまとめてみると、最近はディープからオルフェまでを想起させるような流れですね。ドウデュースがかなり偉かったということも見えてきます。

 現役の2頭はタスティエーラにおいては完成を迎え、ダノンデサイルはグングン成長中という感じで、これからもG1勝利を積み重ねていきそうです。この2頭は揃って3歳時に有馬記念に出走しています。最近はなんでもかんでも凱旋門!という感じでもなくなってきており、個人的には3歳時は国内の強い古馬と当たって、充実期を迎える4歳で行けばいいじゃんと思っているので、歓迎したい流れです。以上。

※サムネはchatgpt製です。

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