東京・芝1600mで開催される牝馬のマイルG1、ヴィクトリアマイルの予想記事です。
気になるデータ
・前走優勝馬が殆ど勝っていない
過去10年の馬券内と前走をまとめた画像が以下のもの。

この表を見ると分かるのは、
①阪神牝馬Sとの結びつきが強い。
②前走G1出走馬は結果に関わらず馬券に絡んでくる可能性がある。
なお、勝ち馬はマイルG1好走馬が強いというのはそうですが、なんというか「それはそうだろ」という話ですよね。2、3着馬になってくるとそんなこともありません。
前走優勝馬が勝っていないというのは、ステップレースで全力を出してしまったり、混合G1に出ていた実力馬が合流すること、ペースがあがるため前方で押し切っていた場合は同様の戦法では通用しないこと、などがあげられるでしょうか。
したがって阪神牝馬Sを叩いてヴィクトリアマイルが本番、という馬と、実力が高いために混合G1に出ていた馬が中心、ということになるかと思います。末脚の鋭さは強みになるものの、緩んだペースになる場合も多く、あまり後ろにいても届かないというレースになっています。
今回出走する馬のなかで、前回優勝馬はサフィラ(阪神牝馬S)、ワイドラトゥール(愛知杯)、アドマイヤマツリ(福島牝馬S)、シランケド(中山牝馬S)、マサノカナリア(立雲峡S)、クイーンズウォーク(金鯱賞)、アスコリピチェーノ(1351ターフスプリント)、でした。
このなかだと金鯱賞が目につきますが、過去10年で金鯱賞を経由したのはシャドウディーヴァ、サトノワルキューレ、ルージュバックの3頭。いずれも金鯱賞では着順が冴えませんでした。
クイーンズウォークは、天皇賞秋3着かつ大阪杯5着のホウオウビスケッツを破っていますから、G1好走レベルとして取り扱って良さそうですね。
枠順に関しては、ヴィクトリアマイル単体で見てしまうと3枠が目につきますが、それは優勝馬が名だたる名馬ばかりだから。また、5枠の回収率は当然テンハッピーローズがぶちあげていますので、あまり参考になりません。東京芝1600という枠組みに広げてみると、むしろ3枠は低成績になっています。ただ、下級馬も条件にいれると馬込みがダメで、という話も出てきます。というわけで、枠順によって能力が……という視点はあまり気にしないことにします。
予想
・ペースについて
最内にクリスマスパレード、2枠4番にサフィラ、7枠13番にビヨンドザヴァレー、大外にアリスヴェリテが入りましたが、スローペースと予想します。
アリスヴェリテはおそらく逃げられません。マーメイドSが34.8、新潟記念が35.4でしたが、これはいずれも斤量が軽い時の数値。その時でさえマイルとしては遅いですからね。仮に池添騎手がバンバン追って逃げさせたとしても、後続は追わないと読みます。
ビヨンドザヴァレーも1400で逃げた時に5着と敗れ、オープン戦では少し控えるような形で着順をまとめてきています。前走もサフィラより後ろでした。
NHKマイルCでは「スローペース読みで先行争い激化」という状況になったので、今回も同じことになる可能性はゼロではありません。しかし、「そもそもマイルのペースで逃げられない」馬が多いため、どうしてもペースは上がらないと予想します。ジョッキーを見ても、競馬においては落ち着いた方々が揃ってるんじゃないかなと。
・天気について
土曜日に雨が降る予報ですが、降水量はそこまででもなく、夕方には小雨になりそうなのでそこから充分に排水されて、いつも通りの高速馬場が出現しそうです。なので、重馬場適性は考えに入れずに予想していきます。
・というわけで、予想
◎アルジーヌ
◯アスコリピチェーノ
▲クイーンズウォーク
△サフィラ
△ステレンボッシュ
△ボンドガール
◎アルジーヌ
前走は阪神牝馬S2着。約4ヶ月ぶりの休み明けということで+12kg。太め残しも1枠1番の経済コースをノープレッシャーで運び、直線も不利なく追い出せての好走だった。東京コースは初めてなものの、それが問題になるようなキャリアではない。レーン騎手を抑えている点に陣営の期待の高さも感じる。前走同様、ある程度の位置をとりながら内で溜め、サフィラを目標に好位から伸びていくようなイメージ。
◯アスコリピチェーノ
前走は1351ターフスプリント。ウインマーベルを差し切る強い勝ち方だった。阪神JF勝ち、桜花賞2着、NHKマイルも2着とマイル適性は随一。全く文句はないものの、前走の負荷の高さを考慮して対抗評価。同一ローテで優勝したソングラインの場合、1351ターフスプリントでは9着だったしな……というのも頭によぎった。
▲クイーンズウォーク
前走は金鯱賞1着。ホウオウビスケッツをねじ伏せてみせる強い勝ち方で、目下充実期。問題はマイル戦に対応できるかだが、牝馬ながら530kgを超す馬体で筋量豊富と見る。東京コースは相性が良さそうで、今の強さならアッサリ勝ってデータを覆してもおかしくない一頭。
△ステレンボッシュ
前走は大阪杯13着。3歳時の成績から、世代のトップレベルであることは間違いない。ただ、適性は2400mと見ており、前走の敗戦は妥当であって期待外れというわけではなかった。今回はスローペースのマイル戦ということになるが、位置取りが前すぎれば不発、後ろすぎれば届かずということで、鞍上戸崎騎手の手腕に期待。
△サフィラ
前走は阪神牝馬S1着。番手を進んで最後の直線、アルジーヌが優勢かに思われたが内から抵抗し続け、勝負根性を見せたハナ差の勝利。3歳の春では少し躓いたものの、この血統らしく成長してきた。スローペースならば東京の長い直線でも実にしぶといはず。
△ボンドガール
前走は阪神牝馬S5着。不利を受けたNHKマイル以外は好走している一方で勝ちきれていないので、紐までの評価にはなる。一番切れるわけではないものの、確実に末脚を使ってくる一頭であり、馬券から外すのは危険と見る。
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